2008年5月6日火曜日

【超重要】サイクロン直撃のミャンマーから撤収せよ

 既に新聞、テレビ報道などでご存知とは思いますが、5月3日から今日6日にかけ、ミャンマー中部はサイクロン「Nargis」の直撃を受け、これまでに20,000人を軽く超える死者が確認されました。
 ヤンゴンから南西に100km程行った、エヤワディ(イラワジ)管区ボガレ市が最も甚大な被害を受けており、当局が確認できた死者数の半分以上にあたる10,000人以上が同市に集中しています。ただボガレ市はヤンゴンとバガン、マンダレーなど北部の都市を結ぶ観光ルートからは離れており、「地球の歩き方ミャンマー(ビルマ)編」(ダイヤモンドビッグ社)にも載っていないため、日本人旅行者はまず行かないところです。
 ヤンゴン市内在住、および滞在中の日本人にも、死傷者はいない模様です。

 Traveler's Supportasiaでは、昨年9月の長井健司氏殉死事件の時、日本外務省の情報よりも2段階厳しい退避を強く勧告する安全情報を董事長ふくちゃんの独断で出しました(前記事「バックパッカーはミャンマーから撤収せよ」参照)。その後、日本人に対するビザ審査状況の悪化もあって出しっ放しにしていましたが、今回改めて徹底します。

 ミャンマー全土にいる国籍問わずすべてのバックパッカー、ツアー客に対し、「退避を強く勧告」します。人道援助に携わるなど緊急を要する場合を除き、観光、ビジネスでの滞在は直ちに中止してください!!



《既にミャンマーへ入国されている方へ》
 タイエアアジア(FD)以外の航空会社の定期便でヤンゴン、マンダレーのどちらかから入国し、復路の搭乗日を変更できる場合は、変更でき得る最も早い日付の便で出国してください。

 タイエアアジアでヤンゴンから入国している方は、前記事「AirAsiaに乗れないときの究極の逆転技」を参照して、日程の変更をしてください。チケットを買い直してなるべく早く出ようという方も、搭乗者を変更できるならば、搭乗を希望している他の方に譲ってあげてください!!
 どうしても現地に残る場合は、いつでも在ヤンゴンタイ大使館に飛び込めるようにしてください。タイ空軍のC-130ハーキュリーズ輸送機が人道援助物資を満載してヤンゴンに向かいます。折り返し、出国を希望するタイ人を乗せてバンコク・ドンムアン空港に向かうそうですが、余裕があれば外国人の搭乗もできるはずです。
 また、ヤンゴン市内の衛生状態が極端に悪くなっていますので、体調には最大限の注意を払い、
少しでも変調が起こったら、直ちにタイに出国してバンコク首都圏内の病院で治療を受けてください!!

 日本国籍者は在東京ミャンマー大使館以外でのビザ発給が現時点で受けられない(前記事「バンコクでミャンマービザが取れない」参照)ため、これから観光目的での入国を予定されていた方は少ないでしょうけど、現地の状況が落ち着くまで、ミャンマーへの入国はあきらめてください。

《タイ・ミャンマー間陸路国境は?》
 コメントをいただいたP.N.ビザラン旅行者さん。タイ・ミャンマー国境で陸路出入国ができるところについては、6日夜時点でどこも問題はないように見えますが、それはあくまでも欧米の大規模報道機関の目がヤンゴンやボガレイに向いてしまっているからであって、実際はタイ国境の近くでも被害が確認されています
 TNA通信(モダナインTVの海外向けニュース配信)の報道によりますと、タイ側のラノーン市から南へ200km下ったシミラン諸島、スリン諸島(いずれもパンガー県)へダイビングに来ていた旅行者400人が、帰りの船が出ずタイ海軍の巡洋艦で現地から脱出する事態になっているとのことです。
 このため退避勧告はヤンゴンを中心とする中部地区はもちろん、国境に対しても出しました。この点をご理解いただきたく存じます。少なくとも週末の11日までは国境へのビザランも見合わせたほうがよろしいかと、董事長ふくちゃんは判断します。

(5月8日追加)
 死者の数はどんどん増えており、10万人突破はほぼ確実、下手すれば20万人突破も避けられない情勢になってきました。2004年のインド洋大津波の死者総数が22万人、そのうちインドネシアのアチェ州だけで16万人。そして広島の原爆死没者名簿(1945年8月6日の時点で広島市中心部に在住、または通勤・通学していた人全員が対象)が現時点で25万3,000人ですから、如何に大きな被害か、そして軍事独裁当局が如何に人命救助を優先しなかったがお分かりいただけるかと思います。